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堺市PTA協議会 役員だより

3行詩

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3月19日 大和 圭一

 みなさん、こんにちは。今回のネタは中学生に説教した話。実は説教するの好きです。なかでも子ども相手は楽しいですね。子どもの時、自分がとてもできなかった事を、当然やってたみたいにえらそうに話できますから。
 息子のソフトテニス団体戦を見に行きました。去年の秋やったかな。その決勝戦の応援がすばらしく良かった。勝ったせいもあったでしょうが、それまで自分の試合は終わったし早よ帰りたいわって感じで応援してた生徒も、この時ばかりは試合に出ている選手と一緒に戦っているような高揚感、一体感を感じていたと思います。その場にいた私たち保護者も、勝ったこと以上にそれまで不協和音も聞こえていたチームがこんなにまでひとつになったことに驚き、感動しました。ただ、この一体感が、勝った試合だけの一過性のもので終わってはいけないと思い、試合が終わった後、子どもたちにちょっと説教じみた話をしたんです。
 「今日はよかったで、来てた学校の中で最高やった。テニスが団体競技やってことよくわかったやろ。おれもむかし野球やってて、野球なんかそんなにチームワークいらんやん、今日初めて会ったやつとでもそれなりにできるし、一人の力の方がチームワークより大事やろって思ってたんやけど、ある日そうじゃないってわかったんや、その話をするわ。」
 それは、ピッチャーとして大学に入って、初めて上級生との練習に参加した時でした。もう肩もできてたし、もともと速い球には自信があっての練習参加でしたが、3年生、4年生の投げる球の速さ、同じブルペンで見ると高校生のレベルとぜんぜん違う。それまで自信があっただけにすっかり気後れしてしまいました。その時、一人の先輩が声をかけてくれたんです。「おれが受けたるわ、遠慮いらんで」4年生のキャッチャーでした。
一球目は緊張でとんでもない暴投でしたが、おかげでうまく力が抜け、二球目は構えたミットに収まりました。すると、そのミットが、投げた私が驚くほどいい音をたてたのです。それは他の上級生が振り返ったくらい乾いた大きな音でブルペンに響きました。自分でも、上級生に負けてない球が投げられたと思いましたし、受けてくれる先輩も「いい球来てるで、のびてきてるで」などと一球ごとに声をかけ、励ましてくれたので、それからはただ気持ちよく腕を振って投げ続けることができました。そのうち、私の球を受けるミットがブルペンで一番大きな音をたてるようになり、最初びびっていたのはどこへやら、ボールの速さはだれにも負けてないとすっかり自信をもつようになったのです。
 その先輩は、補欠のキャッチャーで試合に出ることはなかったのですが、ずっと私の球を受けてくれるようになりました。私の投げる球はいつも一番大きな音を響かせながら先輩のミットに収まり、1年生ながら試合に出させてもらえましたし、いい成績もあげることができました。先輩は、他の4年生が引退した後も、練習に付き合い、私の球を受け続けてくれました。なのに、私の中には大きな感謝の気持ちがある一方で、「4年やけど試合にも出られへん、1年のおれの球を受けるだけか」といったどこか見下すところもあったのです。
 卒業した先輩が練習に来てくれなくなると、私の球を受けるキャッチャーのミットから、いつのまにかあの気持ちのいい音がしなくなっていました。球にスピードがないのか、切れがないのか、自分の球に自信が持てなくなった私は、あの音を取り戻そうと力み、またあせり、やがてフォームを崩して試合でも打たれるようになりました。こうして、自分のピッチングができなくなってようやく気づいたのです、あの音は私の球ではなく、先輩のキャッチングの技術が鳴らせていたということに。また、先輩は試合には出ていなかったけれど、捕球時のミット音や言葉でピッチャーに自信を持たせ、コンディションを上げていくすばらしい技術を持っていたことに。
 「どうや、わかったか。チームっていうのは試合に出てる者だけやないで。応援に来てくれた者はもちろん、今日来てなくても陰で支えてくれた者もみんなチームの仲間やで。」
 こう言うと、みんなわかったようにうなずいてくれました。ただ一人納得しない顔をしていたのは、うちの息子。最後に一言。「お父さん、いつ大学で野球やっとったん?」あれぇ、ばれた?とっさの作り話は得意なんですよ。この話も試合を見ていて思いついたんですが、なかなか出来がいいような気がして、この後あちこちでしゃべりました。あんまり本気にされたら困るので、ここらであの話うそでしたと言っときましょう。
 さて、いきなり春になりました。別れと出会いの季節です。一年間おせわになりました。
ありがとうございました。今年もいろんな方と出会うことができました。単Pでも、区Pでも、市Pでも、魅力的な方ばかりで楽しかったです。別れてしまうのはさびしいですが、また新しい出会いがあるでしょう。それを期待して、さようなら。

堺市PTA協議会 評議員 大和 圭一

 

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