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堺市PTA協議会 役員だより

3行詩

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3月25日 太田 宏司郎

挨拶
 私は挨拶が大の苦手。早口で、すぐにかんでしまう。事前に原稿を準備しなければ、とっさにはまったく言葉が出てこない。PTA実行委員会の冒頭でする短い会長挨拶ですら、毎回「おはようございます」から始まる原稿を書いてる。
 そして滑舌が悪い。5年ほど前、会社の近所のカレー屋さん『CoCo壱番屋』に行き、“半熟タマゴ”のトッピングを頼んだ時、カレーの上に真っ赤なものがのっかって出てきた。そう、“完熟トマト”がトッピングされていたのだ。とにかく私は滑舌が悪いのだ。

 そして今日(3月14日)、その日がやって来た。中学校の卒業式だ。もう何日も前から、私はこの卒業式の祝辞のことで頭が一杯だった。

 PTA会長になって幾度となく生徒や保護者の前で挨拶をしてきたが、やはり卒業式には一種独特の雰囲気と緊張感がある。そして今日卒業した子どもたちの多くは、3年前の小学校の卒業式で私が祝辞を述べた、あの時の子どもたちだ。その時の祝辞は私の中でももっとも下手くそだったスピーチである。在校生(5年生)として出席していた娘にも、「パパ、かみまくってたで!」と言われた。また、最後の「平成23年・・・PTA会長太田・・・」というくだりをまるまる忘れてしまう失敗をしてしまった。

 その大失敗の祝辞の翌年も、私は小学校でPTA会長を務め、もう一度卒業式で祝辞を述べる機会を得た。もう前年のような失敗はできないし、そして今度は自分の娘の卒業式で、卒業生にはよく知った子どもたちがたくさんいる。下手くそでもいいから想いを込めて祝辞を伝えたいと思った。そして考えた末にとった作戦は、祝辞は一応作って持って行くが、すべて暗記して見ずにしゃべるという作戦だ。「読む」よりは「語り」たいという想いもあったが、なによりも読み書きの苦手な私は、自分が書いた文章でも見て読むと必ずかんでしまうのである。それと、できるだけ文章を短く区切ってしゃべり、次の言葉を思い出しながら話すことで、早口を抑えられないだろうかと思った。

 前の年の祝辞が1400文字に対して、この時の祝辞は1700文字。暗記をして声に出して練習をすると、ほぼ8分。本番ではどうしても早口になり尺もかなり短くなっていたと思うが、終わった後、「良かった」ですよ!と多くの人が声をかけてくださった。運動会でもなんでも、挨拶の後はいつも一週間ほど大きく落ち込んでいた私にとって、本当に嬉しいことだった。PTA会長を2年間務めさせていただいた最後に、やっと「良かった」と言ってもらえる挨拶ができたのだ。

 できればその嬉しい状態のままでPTAを卒業したかったのだが、引き続き中学校でもPTAを頼まれ、そして今日、また卒業式を迎えた。ポジティブに考えれば、あの時の子どもたちに対して、申し訳なかった気持ちを償うチャンスを得たわけであるが、同じような失敗だけはするわけにいかない。さてどうするか。できるだけ短い当たり障りのない原稿にし、とにかくノンミスで祝辞を述べることにかけるか、それとも・・・。

 私は2年ほど前にネットで見た、ある大学教授が授業で学生にしたという壺の話を思い出した。その話を卒業生にしたい。上手な祝辞よりも、子どもたちの印象に残るいい話がしたいと思った。そして、その大学教授の壺の話を自分なりに少しアレンジして原稿を書き、何度も推敲して文章を短くしようと頑張ったが、それでも2100文字。祝辞としては長すぎないか?
小道具無しでこの話をして、果たして意味が伝わるか? 色々と悩んだが、結局、無難路線を行くよりも、大学教授の壺の話にチャレンジすることにした。

 そして今日の卒業式、不思議なぐらいまったく緊張しなかったのに、途中で言葉をひとつ飛ばしてしまい、そのために次の言葉が出てこなくなり、修復するのに話がもたついてしまった。傷は浅かったものの、丸暗記作戦では一番怖いミスをしてしまったのだ。そして最後の方で、「さて、卒業生のみなさん」と言うつもりが、「さて、卒業生のみなさま」と言ってしまった。これは一瞬言い直そうかとも思ったが、表情を見る限り誰も気にしていない様子だったので、そのままにしておいた。そして、最後の「平成26年・・・PTA会長太田・・・」というくだりをまた忘れてしまった。これもすぐに気付いたが、「もういい!自分は名乗るほどの者ではない」なんて言い訳がすぐに頭を過ぎって、教頭先生に目で合図をして生徒の“礼”を促した。今までになくすごく冷静だっただけに、これらのミスが悔しくてたまらない、残念な結果となってしまった。

 しかし、舞台の上からは、しっかりと話を聞いてくれている卒業生の姿を見ることができた。今回も在校生(中2)として出席していた娘は、「パパ、最後の方、早口言葉みたいに早かったけど、かんでなかったし、話おもしろかったで」と言ってくれた。そして、「いい話をしてくださってありがとうございました」という嬉しい言葉を卒業生の保護者からいただいた。3年前のような落ち込みはないが、ミスったことや早口になってしまったことが悔しくてたまらない。でも、「この話を伝えたい!」という想いは達成できたようにも思う。悔しさとそれなりの達成感が入り交じった、すごく中途半端で複雑な気持ちだ。

 原稿は今回も暗記した。妻に和紙で製本してもらった祝辞を演台の上に開いて置きはしたが、卒業生の表情を見たかったので、愛用の老眼鏡でなく運転用の近視のメガネをかけて舞台に上がった。なので祝辞に目を落としても文字はまったく見えない。今回はしっかりと暗記できた自信があったので、形だけのものだった。ただ、その暗記が災いして、頭の中でスラスラと文章が出てきて、一番悪い癖である早口に拍車をかけてしまう結果となった。

 私はよく「挨拶さえなければ、ずっとPTA会長をやっていてもいいぐらいです」と冗談半分で言ってきた。それぐらいPTA活動が楽しかったわけであるが、それぐらい挨拶が嫌で嫌でしょうがなかったのも事実だ。なのに、なぜかその嫌で嫌でしょうがない挨拶を、いつしかプレッシャーとともに楽しんでいる自分がいる。
さて、残すは来月の入学式のみ。新入生になにを語ろうか。

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 うまくいかなかった時の挨拶も、うまくいった時の挨拶も、苦労して考えた原稿は、自分にとっては良い想い出、そして宝物です。
 もうすぐこのホームページに「会長あいさつ集」のコーナーが新設されます。私も自分にとっては宝物である原稿を提出させていただきたいと思います。会長さんの想いのこもった挨拶を、大切に紹介していくコーナーにし、そして新しい会長さんが原稿を考える際の参考にしていただければと思います。
 自分の挨拶原稿を載せてもいいよと仰ってくださる方、原稿の提供にご協力をくださいますよう、よろしくお願いいたします。

堺市PTA協議会 副会長 太田宏司郎

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